
実際にあった客先常駐の闇の部分が知りたい
SES企業で働くメリットはあるの?
今回はこんな疑問に答えていきます。
この記事を書いている私は、実際にSES企業で働いている現役エンジニアです。
以前は受託開発企業でエンジニアとして働いていましたが、2020年の末ごろにSES・客先常駐を行っている会社に転職しました。
実際にSES企業で働いてみてわかったことや、世間一般でSESの闇といわれる部分の実態もわかってきました。
そこで今回はこれからSES企業で働こうとされている方や、
SES企業に不安を感じている方に向けてSES・客先常駐の闇について解説していきます。
SES・客先常駐エンジニアとは?
まず初めにSES・客先常駐エンジニアという働き方について簡単に説明します。
SESとはシステムエンジニアリングサービスの略称で、
基本的に自社ではなく、お客様先といわれるほかの会社に派遣されて働きます。
派遣社員と勘違いされがちですが、あくまで自社の正社員です。
ただ勤務場所が自社ではなく、別の会社となります。
勤務時間や服装などはお客様先の企業に合わせることが多く、
中には残業が多いお客様先もあったりするので、
いわゆる「案件ガチャ」といわれることもあります。
SES・客先常駐で実際にあった闇の部分とは?
ここからは私がSES企業で働いてみて実際に起こったことや、耳にしたSESの闇と呼ばれる部分を解説していきます。
- SES案件ガチャ
- 経歴を盛ることがある
- 別のSES企業の社員としてお客様先に常駐
順番に見ていきましょう。
SES案件ガチャ
まずSESの闇といわれる一番の要因でもある「案件ガチャ」です。
これは実際に派遣される常駐先によって残業が50時間以上あったり、
休日出勤させられたり、明らかに人が足りていない炎上している案件などのブラックな現場や、
逆に基本定時あがり、私服OKなどのホワイトな現場との差が大きいためです。
参考までに私が派遣された2つの案件を見てみましょう。
1つ目の案件
- 定時は9時‐17時半
- 残業は月20時間程度
- 私服OK
- 2日目から完全テレワーク
- 休日出勤などは無し
2つ目の案件
- 定時は9-18時
- 残業は月5~10時間程度
- スーツ勤務
- 休日出勤などは無し
どうでしょうか?
皆さんが思っているよりもホワイトじゃないですか?
まだ2案件しか派遣されていないのでたまたまかもしれませんが、
今のところはこの案件は…というような辛い案件には当たっていません。
むしろ受託開発の時よりも残業は減りましたし、
休日もカレンダー通りです。
私が以前働いていた受託開発企業は月一回だけですが土曜日出社がありましたからね。
それに比べたらかなり良いです。
経歴を盛ることがある
これは別のSES企業の営業の方が話していた内容ですが、
実際にお客様先に提案する際に、派遣するエンジニアの経歴を少し盛って書くことがあります。
例えばJavaの経験が半年しかなかったとしても1年~2年の経験としてスキルシートに記入したり、
ひどいところでは未経験の言語を経験ありで記入して提案するようなSES企業もあるそうです。
それって詐欺じゃないの?と思うかもしれませんが、
SES・客先常駐を筆頭にIT業界ではよくある闇といわれる部分の一つです。
ひどい会社では完全に実務未経験で入ったエンジニアを経験者として派遣するようなブラックなSES企業もあるので、
こういったSES企業は避けるようにしましょう。
後程そういったブラックSES企業に入らない為に注意することも解説します。
別のSES企業の社員としてお客様先に常駐
これは実際に私が体験した内容ですが、
自社 ➜ 他社SES ➜ お客様先
というように他社SESの社員としてお客様先に常駐することがあります。
ある意味お客様をだましている状態な訳ですが、
これには理由があり、お客様先が大きい会社だと中小SES企業は契約を交わすことができない場合があります。
そこで大手のSES企業がお客様先と契約して中小SES企業の社員を派遣するという何ともややこしい契約をする訳です。
実際に派遣される社員からすればあまり関係ない内容なのでこれについてはそこまで気にしなくても良いと思います。
ブラックSES企業に入社しない為に注意すること
ここまででSES企業の闇といわれる部分を解説してきましたが、
では実際に闇の部分が多いブラックSES企業に入らない為にはどうすれば良いのでしょうか?
SES企業の求人を探す時は次の3つを行うようにしましょう。
- みなし残業が無いまたは少ないSES企業を選ぶ
- 案件単価や還元率が開示されている会社を選ぶ
- 「SES企業名+評判」で情報収集
みなし残業が無いまたは少ないSES企業を選ぶ
まず闇の多いSES企業に入る確率を下げるのであれば、
みなし残業代制度が無いまたは少ないSES企業を選ぶようにしましょう。
求人の給与欄に書いてあることが多く、
○○万円(30時間分のみなし残業代が含まれます)
というような部分です。
みなし残業時間が短い企業に入ることができれば、
たとえ炎上案件と呼ばれるような案件に当たったとしても、
残業した分だけ給料が入ってくるのでかなり楽になると思います。
逆にみなし残業30~40時間などの表記があるところは、
ほぼほぼ残業代として給料が増えることはないので気を付けましょう。
月に40時間残業して給料変わらずだと、精神的にも辛くすぐに辞めたくなってしまいます。
案件単価や還元率が開示されている会社を選ぶ
SES企業の中には参画する案件の単価や還元率を開示してくれる会社もあります。
大体55~60%ぐらいの還元率が一般的なSES企業ですが、
闇の深い会社はこれ以上にピンハネしていることがあるのでできるだけ明確な単価を教えてくれる企業を選びましょう。
案件単価を開示しているSES企業はまだまだ少数ですが、
探せばいくつか出てきます。
案件単価が分かれば自分のスキル相場もわかりますので、
ゆくゆくフリーランスを目指している方にとっては非常に為になります。
また今の自分ならいくらくらい稼げるかが明確なので、独立のタイミングもわかりやすいです。
「SES企業名+評判」で情報収集
最後は念のため「会社名+評判」とGoogleで検索してみましょう。
小さすぎない会社であれば大体はヒットするはずです。
あくまで参考程度ですが、異常な悪評がついているところは避けた方が無難です。
こういった口コミは悪評の方が書き込まれやすいのでそれを念頭に置きながら指標の一つとして使いましょう。
SES・客先常駐の良い点・メリット
ブラックSESや客先常駐の闇など、悪いイメージがかなり強いSESという働き方ですが、なにも全てが悪いわけではありません。
自社開発企業や受託開発企業よりも優れている点、メリットの部分を見ていきましょう。
- 自分で案件を選ぶことができる
- 様々な技術に触れられる
- 独立した時のことをイメージしやすい
自分で案件を選ぶことができる
SES企業の良かった点は、ある程度自分で案件を選ぶことができることです。
タイミングや担当営業にもよりますが、自分のやりたい言語や分野の案件を伝えておけばそれに近い案件を案内してくれます。
受託や自社開発の企業に勤めている場合だと、
自分の興味が無い言語や分野でも断ることはできませんが、
SES企業の場合はそれができます。
中々次の案件が決まらなかったり、断り続けたりしていると無理やり参画させられることもあるでしょうが、
基本的には自分のやりたい言語や分野の案件に付けることが多いです。
様々な技術に触れられる
もう一つのSES企業のメリットとして様々な企業に派遣されるので、
自分の知らない技術や知識を知れることが多いということです。
特に受託開発企業だと毎回同じようなやり方で開発を進めていくことが多いですが、
SESの場合は案件ごとに常駐先が変わるので、使っている技術もバラバラです。
色々な開発現場の良い部分や悪い部分を知れるので、
自分のスキルアップにもつながります。
独立した時のことをイメージしやすい
これは将来フリーランスエンジニアになりたいと思っている人向けになりますが、
SESという働き方を経験しておくと独立したときのことを考えやすいです。
というのもフリーランスエンジニアの案件を見ていると
まだまだ客先常駐型の案件が非常に多いです。
発注者との間にSES企業が入らなくなっただけで、
実際の働き方はSESもフリーランスも似たようなものです。
案件が決まったらお客様先に常駐して仕事をこなす。
受託企業に勤めていた人がいきなり独立してしまうと、
知らない人だらけの所で働くことにストレスを感じてしまったりすることもあるそうですが、
SES企業で慣れておけば独立しても怖いことはありません。
もちろんフリーランスエンジニアになれば単価が高くなる分、
求められるスキルも高くなりますが、
仕事の流れは同じなのでフリーランスエンジニアを目指す方にとっては良い経験になるのではないでしょうか。
まとめ
SESの闇と言う言葉があるくらい悪く言われがちなSES・客先常駐と言う働き方ですが、
僕的には結構好きな働き方だったりもします。
自分の好きな技術に携わりやすいですし、
現場ごとの様々な仕事を勉強できます。
良くも悪くもサバサバしてる人が多いので、
人付き合いが苦手な方にもSESと言う働き方がマッチするはず。
SES企業に入ろうと考えている人の参考になれば幸いです。